子どものころ、スイカは縁台を出して
外で食べるものと決まっていた。
川で冷やしてあった一俵のスイカを
親戚一同が集まって食べた。
大人たちは、日頃の積もり積もった
身内話を語らい、子どもはその傍らで
きゃっきゃと言いながら、スイカの種
を飛ばしあい、飛距離を競っていた。
大人は、しばし子どもを躾けることから
我を解放し、子どもはそれを充分理解し
●立ったまま食べる
●口のまわりも服も足も汚れ放題
●口に入れた物をいったん出す
なんていうことを、これまた我を忘れて
スイカの種飛ばしに熱中していた。
当主の伯父だけが、縁台に腰かけ
にこにこしながら黙ってスプーンで
すくってスイカを食べていた光景は、
子ども心に意外だった。
私は今もスイカを食べるとき、立った
ままスイカの種を飛ばしてみる。
狭いマンションの、人が二人立てない
小さなキッチンで遠慮がちにだけど。
言葉より大切なもの
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