窓の外は

数年前の11月、父は最後の入院をした。
私は、仕事が終わってから毎日病院に通った
のだけれど、到着するのはいつも日没後
だった。

開口一番
「きょうはどんな天気だ」
と父は毎回呟くように私に尋ねた。

ナースステーションから最も近い部屋に
あった父のベッドからは、
窓の外は見えなかった。

父はどんな思いで私に尋ねていたのだろう。

長期修繕のためカーテンを閉め切ったままの
部屋で過ごしている私は
当時の父の思いを今更ながら探っている。

 

明日もきっと佳い日

門田 保子公認心理師
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花鳥風月

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