「言えなかったひとこと」(くれたけ#74)
言えなかったひとこと
というより
「言いたかったひとこと」
あれは伯父がまだ健在だった時の祖父母の
法事の帰りのことです。
何年かぶりで大好きな伯父に会えたのですが
もうここで別れると言う時、私は何故か
今伯父と話さないと、この先会話できることは
もうないのではないかというような気がしていました。
ですが、もう車に伯父を乗せ始めた従兄姉たち
の動きを止めるのは気の毒な気もして躊躇していました。
あれよあれよという間に伯父を乗せた車は発車しました。
帰りのバスの中で、私は一人涙が止まらず
なぜあの時、車を止めてでも
伯父に駆け寄らなかったのか後悔の涙があふれました。
予感は的中し、翌年の初夏に伯父は彼の岸の人になりました。
別れの予感がする時の感覚をこの時、教えて頂きました。
【2017年10月のお題-2】
「言えなかったひとこと」この言葉で連想した思い出を語ってください(くれたけ#74)
明日もきっと佳い日
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