映画「ミッドナイトスワン」

遅まきながら3月初旬に「ミッドナイトスワン」観てきました。広島での上映はもう終わっていて、尾道まで足を伸ばしました。

1度行ってみたかった「尾道シネマ」にも行けたし、春めく尾道の風にも触れてちょっとしたプチ旅行感覚でした。以下ネタバレありますので、まだご覧になってない方はご留意くださいね。

この映画はLGBTや児童虐待のことが扱われている、描かれているように見えますが、多くの人の心を揺さぶったのは、それだけじゃなくて、もっと根元的なことなんじゃないのかなと感じました。

草彅さん演じる凪沙が「何であたしだけ」って涙するシーンがありましたが、その「何であたしだけ」は一果ちゃんもそう思ってたかもしれないし、一果の母親や、物質的には何の不自由もないと思えるりんちゃんや、りんちゃんのママもそう思ってたかもしれない。

人は誰でも孤独、生来の孤独があります。それとは別に、おそらく誰の心にも普段は忘れてしまっている傷つきがあり、傷が癒えていないがゆえの愛情飢餓、渇愛からの孤独感があります。

この映画は、忘れてしまっている傷に触れ、傷ついている自分に触れ、心が揺さぶられる。そして、さらにこの映画はその傷に癒しを与えてくれる温もりがある。

そこに感動があり、多くの人が「何か自分でもよくわからない涙」を流したのかも知れません。
隣の席の方は号泣されてました。

人は表現の中に「解放」を感じる時、さらに上達する、思考を越えたところに伸びていく、躍動する、運ばれるのではないかということ。バレエのシーンを見ていて感じたことです。

作品の中で踊りのシーンと音楽、真飛聖さん演じるバレエの先生の健全さ、屈託のなさが作品のバランスをとっていたような気がします。作品構成のセンスが光っています。

日本アカデミー賞受賞おめでとうございます。
広島でもアンコール上映あるといいですね。
Blu-rayも発売されるようですが、是非できれば映画館で、スクリーンで見て頂きたいです。

観た人の数だけ「良かった」がある映画だと思います。

映画は、あなたの人生をちょっぴり変えるかも。

映画「ミッドナイトスワン」公式サイト

明日もきっと佳い日

門田 保子公認心理師
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