言葉の背景にある気持ち
父は吉本新喜劇が大好きで、毎週土曜日のお昼、ガハガハ笑いながら楽しんで見ていました。
母はそんな父の様子を「くだらない」と言って眉間にシワを作っていました。
土曜日の午後、学校から帰ると、毎週のように二人のそのシーンが待っていました。
子ども心に何と言っていいかわからず、母の言葉を気にしつつ、吉本をチラ見して抑えめに笑うみたいな小学生でした。
母は寂しかったのかも知れません。
テレビを見て笑うよりも私を見て欲しい、私に笑顔を向けて欲しい
そんな気持ちが素直に出せず、お笑い番組を見て笑っているなんて「くだらない」と言い、私に気持ちを預けてきたのでした。
当時は、そんな母の心の奥の寂しさに気づけるはずもなく
吉本は面白いと私も思うけど、そんなことを思ってはいけないのだ
というような、微妙な罪悪感を隠しながら過ごしていた小学生時代でしたが、それは今の私の財産になっています。
この人は何故こんなことをいうのだろう?
何故こんな表情をするのだろう?
それはいつもオートマチックに私の中で作動しています。
人の心のしくみや、顔と心の関係への探究に興味関心は尽きることなく、人間ってなんて面白くて愛しい生き物なんだろうと思います。
明日もきっと佳い日
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