寅さんシリーズや現公開中の「家族はつらいよ」
などの山田洋次監督の作品と、「となりのトトロ」
や「魔女の宅急便」「ホタルの墓」などに代表される
ジブリ作品と、そして北海道在住の画家イイダナオミ
の描く世界には共通点があります。
実写とアニメ、そしてスケッチという違いはありますが、
どの作品も背景の細かいところまで ひとつひとつ大切に
描き存在 させている点。
山田作品は、カメラが近い時も遠い時も 遠くの農作業を
している人も、凧揚げをしている人も、自転車も案山子も
風に吹かれて落ちてくる木の葉さえも、すべてを必要な存在
と して扱っておられます。
ジブリ作品は、アニメでありながら石畳や雲の形濃淡、
道路の 汚れかた、主役以外の細かな動植物にいたるまで、
生き生きと そこに存在させています。
スケッチがとても素敵なイイダ作品。魚も船も人も
植物も降る雪も、描かれる線のひとつひとつに命が
宿っているかのよう。
すべての命がそれぞれに担っている役割があり、
大きい小さいなどの比較に関係なく、 いま「在る」
ものすべてで成り立っているこの世界を まるごと
愛しいものとして扱っておられる監督の、表現者の
世界観を見るようです。 だから、安心してたくさん
の人と一緒に見たくなるのかなぁ。
寅さんは絶対に映画館で見たかったし、ジブリ作品もそう。
知らない人だらけの映画館で、でもなぜかなるべく大勢で見たい作品でした。
静かでどこかから風が吹いてくるようなイイダさんの
絵は、なぜかいつまでも見ていたくなるのです。
明日は明日の風が吹く
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