持ち時間には限りがあり、ほうれん草をゆでる時間はなくなりました。
かつて嫁という立場があったとき、
心優しい義母から季節の野菜がどっさり届きました。
息子や孫に自家製のおいしい野菜を
たっぷり食べさせてやりたいという思いやり、
針の先ほども無駄にしたくない私で、
捨てる部分は最小限に、腐らせるなんてもってのほか。
段ボールいっぱいのほうれん草を
ずっと立ちっぱなしで1時間以上茹でては
冷凍したり、下味をつけて保存したりしていました。
今、私は、ほうれん草をゆでるということが
ほとんどなくなりました。
ほうれん草は大好きな野菜のひとつです。
冷凍を買うという発想はなく、
調理品を食べたいとも思わない。
おひたしや白和えや磯部巻きや胡麻和え、
ソテー,ピザにグラタン。。。etc.
何にしても美味しいし、できれば自分で作って
食べたいと思う。でも作ろうという段に至らない。
この奇妙な感覚って何?
たぶん、人生には限りがあって、
「ほうれん草をゆでる」という時間を
私は使い切ったのだ、と思う。
これって、例えば人との関係もそうかも。
その関係性が望ましいものであっても、そうでなくても。
全ては有限。限りある。
明日もきっと佳い日
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