指定席が取れなくて、始発列車に並ぶという。
朝4時30分にタクシーを予約した。起こして
あげるから寝た方がいいよと、声をかけたが
起きていたらしい。
タクシーの呼び鈴を待たずに自分から階下に
降りて行った。

長男は、いつの間にか自立していた。愚痴は
いっさい口にせず、特にうまいとも言わない
のだが、出された料理は完食し「じゃぁ」と
片手を上げて出て行った。

無病息災を祈り、私自身が元気でいることが
残されたお役目なのかも。

しーんと静まり返った薄暗いベランダから、
タクシーが静かに音をたててゆっくりと旋回
し、坂道を下って行くのが見えた。