緑の公園

彼女は離婚し、小さな子どもたちをずっと一人で
育ててきました。第一線で戦士のように働き男性
並みの収入を得ていましたが、体は疲れを引きずり、
心はいつ壊れてもおかしくないくらい疲弊していました。

消えることがない不安を抱えつつ、いつも周囲を
気遣い、何でも期待以上に結果を出し、誰からも
頼られる「有能な人」であり続けました。そんな
周りの評価と実際の自分自身とのギャップに苦悩
しながらも、子どもを育てあげて、自分のこれからを
考える時間が訪れました。

悩みながらも、とにかく生きていくために、彼女は
猛勉強の末全く違う業界に転職しました。転職した
彼女から届いたメールにはこう書いてありました。

「毎日、○○公園の横を通って通勤しているのですが、
今の季節は緑がきれいで、花の香りもして、それだけ
で幸せな気持ちになります。自分らしく生きてる感が
持てて、贅沢はできないけど、つつましく暮らして
いけることが幸せ。」

これまで、「幸せ」という言葉を発しなかった彼女。
「頑張る」「あともう少し」「生きているのがしんどい」
「誰かに私の残りの時間をあげてもいい」とさえ言っていた彼女。

子どものため、会社のため、お客様のため。。。
いつも自分以外の誰かのために生きてきた彼女。

「自分らしく」生きるってこんなにも人を幸せにする
んだなぁと、読んでいたメールの文字がぼやけてしま
った雨の午後でした。