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かつて「黒づくめの女」と言われたことが
あります。頭のてっぺんから足の先まで全
て黒で覆って過ごしていた時代があります。
20年くらい前から10年近く続いたでしょうか。

夏も上着は長袖で足も見せず、 一年中外さ
なかった手袋も黒で、冬は黒の帽子を被り
夏は黒のサングラス。
まさに「黒づくめの女」でした。

それは、何か意図があってとかこだわりがあ
った訳ではなくて、黒しか着れなかったので
す。憧れていたダンサーが黒づくめだったこ
とは、外向きの理由の一つにはなっていまし
たが、まだ当時は悲嘆の作業から抜けつつも
私にとっては漆黒ともいえる時代で、全身黒
に包まれることでそれは鎧の役割も果たして
いたのだと思います。

衣の入れ替えをしながら、今は青も赤もグレ
ーもある引き出しで当時の黒一面だったころ
を思い出しました。

笑えるなぁという気持ちとそれでも毎日会社に
行っていた自分を愛おしく思うと同時に、人は
ちゃんと生きていく方法を、その過程を生きる
ことをどこか知っていてそれは備わっているの
だなと思いました。

人は幸せになるために生まれてきたのだと思い
ます。だからこそあり得ないほどの確率をくぐ
りぬけてこの世に生まれてきたのです。

幸せであることを知るために、悩みや苦しみや
悲しみも同時にあるということも。

今は、特にためらうこともなく赤のタイツを
はきながら感じたことでございます。