「ちんぽこに飯粒つけて駆ける子よ見ておれ父はいま生き直す」

サラリーマン歌人として知られている
尾長幹也さんの詩集「解雇告ぐる日」
(2000年出版)から。

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「人生の勝ち負けの外に猫ふたつ陽に寝そべりて世間話す」

「判押すを客の迷えば懸命に飼い犬誉めるセールス我は」

「スマートな職を探すと部下去りぬひらがな多き辞表残して」

「我は利益部下はモラルを主張せりドラマなら我が悪役ならむ」

「今よりはずっと自由な若き日に自由を欲(は)りき自由とは何」

「おっとりと明るき妻がたまさかに香辛料(スパイス)のごと昇進を問う」

「子のまえにサンタとなりて登場す糾弾浴びし会議の夜を」

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組織の中で働くお父さんの偽らざる気持ちが
31文字に込められているのではないかと思います。